高山英華基金の概要

1.被災地の復興初動期の支援活動助成

 当協会は平成7年の阪神・淡路大震災に際し、大阪に現地対策本部を、東京に支援本部を設けて、建設省並びに兵庫県の要請に応じて、マンション復興相談センターに再開発プランナーである協会会員を派遣し、また神戸市からの要請に応じ、いわゆる白地地域内の災害復興に当って、再開発あるいは共同化の意向のある地域に協会会員を派遣し、復興の計画づくりの相談や共同化の推進に努力してきました。

 一般市街地やマンションの災害復興に当っては、公平な第三者の立場に立って多くの関係者の意見を聴取し、被災者のそれぞれの条件等を考慮して調整しながら、まちづくりやマンションの復興の計画、事業化を進めることとなりますが、これに当る者としては、都市の再開発の仕事に従事して各種の再開発に係わる技術や制度に精通し、国や地方公共団体の助成制度や税制、法制にもくわしい再開発コーディネーターが最もふさわしいと言えます。

 今後こうした災害が発生した場合に備えて、当協会では支援体制や対応マニュアルを作成し、緊急の相談や復興計画づくり、復興事業の推進に大いに役立てさせていくこととしておりますが、そうした活動の初動期における緊急のボランティア活動を支援するために、高山英華基金を活用し復興促進を図ることとします。

2.まちづくり及び都市防災について一般市民などへの啓発活動

 阪神・淡路泰震災の復興計画策定を機に、まちづくり計画への住民参加の必要性が強く認識されるようになりました。特に、都市防災の観点から広範な木造密集市街地の改善が大きな課題とされておりますが、そうした地域ではまさに市民の理解と協力なしには街の改善はできません。住民の話を聞き、相談相手となって計画づくりに参加し事業を進めて行くのは、まさにコーディネーターの仕事でありますが、それとともにそれに係わる住民はもちろん、一般市民を対象としたまちづくりの教育・啓発活動は、極めて重要なこととなってまいります。こうした啓発教育は、小・中学生の頃から行っていく必要があると考えます。そうした教育・啓発活動として、再開発によるまちづくり、防災のためのまちづくりなどのパンフレット・ビデオ等を用意し、小・中学生や一般市民を対象として説明会などを行うこととします。

 具体的には建設省などを中心とする”まちづくり月間”などの行事の一環の中で、小学校の高学年児童及びその父母を対象にまちづくりへの市民参加の必要性を説明し、マスコミ等への働きかけを通して、社会教育の場へも反映されるように努めて行きたいと考えております。

3.再開発コーディネーター等の育成等

 再開発コーディネーターの技術の向上を図るため、多年にわたり再開発事業の第一線で活躍している再開発コーディネーターの中から、事業の完成に業績を残した者で再開発コーディネーター業務の発展に著しく貢献した者に与えられる「都市再開発高山賞」は、平成3年から実施されています。また協会が発行する「理論誌」は会員等が実務の中で得た経験や研究を発表するもので、これに掲載された論文の中から優れた論文を選考して表彰することが、協議会時代の昭和58年から続けられています。

 高山英華基金から表彰の経費を出すことにより、これらの表彰制度を拡充し一層価値あるものとして、再開発コーディネーター育成と業務の向上を図り、わが国の都市再開発の推進に寄与することとします。