今年度の若手フォーラムでは権利者目線のまちづくり再考と題して、都心と地方都市の権利者になりきるロールプレイングを行い、B班では地方都市のまちづくりや権利者対応について検討・議論しました。
B班のメンバーは、業務でも地方都市のまちづくりを経験したことがなく、また権利者対応も未経験の方がほとんどでしたが、都心での業務経験を活かしながら、再開発事業で起こりそうな様々な場面において、地方都市ではどうだろうかと、権利者の生活や立場、気持ちを想像しながら、活発に議論を進めました。
第1回のグループワークでは、ワーキングのテーマが難しいこともあり、議論が詰まる場面も見られましたが、回を重ねるごとに徐々にワーキングの流れにも慣れ、また登場する権利者のキャラクター像への理解が深まり、皆が自発的に意見を出し合っている様子が印象的でした。
最終回では、これまでのワーキングの振り返りとして、地方都市の権利者と事業者のそれぞれの立場で再開発事業について考えたことから得られた“気づき”
を整理しました。まず事業者の視点としては、①地権者の理解度を決めつけてしまう傾向がある、②「検討」、「善処」等の曖昧な言葉を使ってしまう傾向がある、そして権利者の視点では、③事業フェーズが進むについて、権利者の「質問」は「要望」になっていく傾向がある、を挙げました。①、③に対しては、個別面談等と通して各権利者と丁寧な対話が重要であり、②については、曖昧な言葉の乱用は事業者の不信につながるため、「検討」の理由まで明白にすべきとの対応方針まで整理しました。
これらの“気づき”はいずれも権利者の立場に立ってみないと気づきにくい課題であり、実務上でも留意すべき重要な“気づき”だと感じました。所属組織や世代を超えた交流によって、実務に活かせるような学びや経験を共有することが出来ました。